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我武者羅の法学徒

東京で一人暮らしを始めたひよっこ法学徒が、あちらこちらにぶつかります。

この世界の片隅に

ネタバレがあるので注意して下さいっ!

 

こちらに来てから、僕の精神年齢が上がったのか、映画を観に行く機会が増えた。

 

とは言えその嗜好はめっちゃ偏っており…、正直戦争モノ、特にナチスドイツがテーマのものばかり見ている。

当然だがナチス支持者では勿論ない。

 

そんな中、先日この世界の片隅に、を観に行った。そもそもアニメは映画館で観ない変な主義があるから、と言っても君の名は、は観に言ってるんだけども、案の定よくわからなかったけども、母親に誘われた時はやや抵抗があったが…いざ観たら深い…。

 

太平洋戦争からその終わりくらいまでの、呉に嫁いだ女の子を中心に物語が進んで行くわけだが、戦争モノって特に僕が観ているやつは暗殺だとか決起だとか、血生臭いものばかりだった。軍のお偉いさんとかが出て来て、上層部でゴチャゴチャしたり…とりあえずストーリーを動かすのは戦場で非現実な空間が描かれている。まぁそれ故いつもと違うワクワク感とか死を直前にして映し出される人物の人生観に感動させられたりするのが良いのだけれど。

しかし、この世界の片隅に、は本当にほんっっとうに世界の片隅で、目まぐるしく展開されて行く戦争に知らぬ間に制限されているのだけれど、それにも気づかず、その日その日を生きる、と言ってもその生は花火のように華やかじゃないし激しくもないけど、でも確かに、まるで踏まれても踏まれてもなんともない顔で生え続けるオオバコのような…そんな小さな日常を描き出し、戦争の影を描写している。

 

戦争だとか言うと随分物騒なわけだけれど、結局その大舞台で暴れているのは極一部で、物質的精神的な戦争の抑圧はあるものの、世界の片隅に生きる、僕らのような存在はそこまでそもそも興味がないのかも知れない。

数々の苦難が主人公を襲うわけだが、難しいことは考えなくていい。ありのままの現実をするする過ごす主人公の姿は、なかなかに考えさせられる。

強く生きるってなんなんだ、生きる意味とは。

戦争って、平和とは何か。

こういう難しい問いに正面からぶつからなくても、その壁を乗り越えられなくても、構わない。ただ目前の生活を送る。それだけ。

 

そんな生き方が羨ましいと思う。

僕も彼女のようにただ生きて、ただ死にたい。